真・MFC千夜一夜物語 第233話 コリオリは完全無欠の質量流量計 その3

もう一つのMFC千夜一夜物語である日本工業出版さんの「計測技術」誌マスフロー千夜一夜物語<質量流量計の基礎>」という連載も2017年5月号(4/25発売)で連載34回を迎えさせて頂きました。
mini cori-flow m
コリオリマスフロー <出展:ブロンコスト・ジャパン(株)>

本ブログでは、コリオリ式流量センサーの特長をお話ししています。
コリオリは温圧補正の必要ない質量流量計であり、マスフローでよく使われる熱式センサーが、流体の比熱などの固有の物性を流量式に必要なために、流体の物性がわからない場合や、混合比率が不明な流体にはコンバージョンファクター(CF)を固定できない為に、流量計として流量測定用途で使用が難しい(繰り返し性能を重視した計測用途なら使えない訳ではないが)のに対して、物性に左右されないコリオリ式はそれだけで優位に立つ方式です。

それ以外にもこの両者では大きな性能差が生じるのが、温度影響です。
熱式流量センサーの弱点は、実は同じ熱だというお話はこのブログで何度もしています。
170425_02.jpg

これはヒーターで熱を与え、それを流体が奪う量が流量と比例関係であるという基本原理からして、やむを得ないところです。100℃のヒーターから20℃の流体が奪う熱量と、70℃の流体が奪う熱量は当然異なります。
170515_01.jpg

この差分を補うのが温度補正回路です。
ところがその温度補正範囲は決して無限ではないという弱点と、もう一つ温度補正のベースとなる温度情報が正確であるかどうかが問題となります。
今時の温度センサーの誤差は小さなものですが、問題は温度を測るポイントです。
補正を入れるべきは流体温度なのですが、それを測定するような構造にほとんどの熱式マスフローはなっていません。
それは流体が半導体プロセスで使用される活性ガスが多いことから、センサー自体もSUSチューブの外壁に巻いていることからわかりますね。

では、コリオリ式には温度影響はないのでしょうか?
答えは「あります」です。
下の流量式の中に答は隠れています。
170425_01.jpg

Ks:チューブのバネ定数 が、その答の隠れている部分です。
金属チューブの場合、バネ定数というものは温度影響を受けます。
その為、温度センサーを用いて補正情報を入れ込むのが一般的です。
(樹脂チューブを使っているコリオリ式流量センサーもあるようですが、これに関してはどうなのか?そもそも樹脂でバネという感覚がDecoにはよくわからないので、ノーコメントとさせてもらいます。)
熱式もコリオリ式も共に同じ温度影響という弱点を持っているように見えますが、コリオリの場合は流体温度ではなく、センサーチューブの温度であり、且つ熱式と比べてその温度影響レベルは小さい為に流量センシングに対する影響度ははるかに小さいと考えてよいかと思います。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

テーマ : ものづくり
ジャンル : ビジネス

tag : マスフロー マスフローコントローラ マスフローメータ MFM MFC コリオリ EZ-Japan

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プロフィール

EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠

Author:EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠
MFC千夜一夜物語のDeco こと 黒田 誠 です。
2014年6月より流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”EZ-Japan(イージージャパン)として開業いたしました。

流体の流量・圧力・温度に関わる計測・制御技術の伝承と、新技術のご紹介を行うエバンジェリスト(伝道師)の仕事を生業といたしております。

日本工業出版さんの「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載を続けさせて頂いています。

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