コンバージョンファクターは1つではない

コンバージョンファクター(CF)のお話です。
校正基準ガス(N2もしくはAir)からマスフローで使用するガスへの流量換算係数のことです。

「あるガスのCFを教えてください」というお問い合わせに対し、「メーカー、型式、分流構造、温度、圧力により異なるので、即答はできませんよ。」と回答して、不思議そうな顔をされることがあります。
N2=1、Ar=1.4、といった形の明快な回答をお望みとしたら、すみません。
CFは1つのガスに1つとは限りません。
むしろマルチCFであると考えてもらった方がいいのです。

<熱式流量センサーの原理>
170221_04.jpg

最近やってしまったDecoのミスの話をしましょう。
H2 1500ln/min(=L/min[N] 0℃,1013hPa校正)レベルの大流量MFMの引き合いを頂いた際に、”H2のCFはほぼ1の筈だから、ブロンコストのEL-FLOWの最大流量は1670ln/minとカタログにあるし、少々CFに曲がりがあっても大丈夫だな。”と、ご紹介してしまったのですが、後からブロンコストさんのFLUIDAT® on the Netで計算したり、ブロンコスト・ジャパンさん問い合わせてみたら・・・
「EL-FLOWシリーズでH2 1500ln/minは、Air換算したらモデル上限の1670ln/minを超えてしまうから流せない・・・」
という結果になり、お客様にお詫びすることになってしまいました。

以下はFLUIDAT® on the NetでH2とN2のCF計算をしてみた結果です。
*ブロンコストは大流量に関しては校正ガスはAirですが、記事中でのCFの説明上、基準をN2にわざと変えて計算しています。
170221_01.jpg

F.S.10%では0.9964だったCFが100%では0.8590と大きく曲がっているのがわかるかと思います。
試しにこの1/100のスケールで計算してみると・・・

170221_03.jpg

1.014~1.048 徐々に増えてはいますが、まだ1の周辺ですよね?
この感覚で大流量モデルのサイジングを考えてしまったのが、今回のDecoの落とし穴でした。

反省、反省・・・お客様、ごめんなさい

ブロンコストさんは便利なツール FLUIDAT® on the Net を公開しておられます。
登録いただければ、無償でお使いいただけます。
(コンペジターの方は無理でしょうけど・・・)

こういった便利なツールを活用して、Decoのように経験があだとなる思い込みで失敗しないよう、皆さんは気を付けてくださいね!

MFC豆知識 by EZ-Japan Deco



テーマ : ものづくり
ジャンル : ビジネス

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プロフィール

EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠

Author:EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠
MFC千夜一夜物語のDeco こと 黒田 誠 です。
2014年6月より流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”EZ-Japan(イージージャパン)として開業いたしました。

流体の流量・圧力・温度に関わる計測・制御技術の伝承と、新技術のご紹介を行うエバンジェリスト(伝道師)の仕事を生業といたしております。

日本工業出版さんの「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載を続けさせて頂いています。

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