真・MFC千夜一夜物語 第203話 MFCの継手のお話 その5

もう一つのMFC千夜一夜物語である日本工業出版さんの「計測技術」誌「マスフロー千夜一夜物語<質量流量計の基礎>」という連載も2016年1月号(12/25発売)で連載19回を迎えさせて頂きました。
今回はラミナーフロー式流量センサーを搭載したMFC(マスフローコントローラー)であるAlicat社の製品解説記事となっております。
本ブログと併せて、宜しくお願い致します。

さて、MFCの継手に関しての解説5回目です。
MFCに使用する継手の主力メンバーのあらましは前回までにご説明しました。

継手は種類だけでなく、接続口径も重要な選定要素です。
1/4”RC継手と聞いて、1/4”Rネジの継手を用意していったら、1/2“RCだった等という事が現場で起きてしまうと嫌なものです。
大流量MFM(マスフローメータ)等は1/2”や3/8”等の大きな口径のRCネジを本体に切ってあります。
ですが、ユーザーが常用する配管径は1/4インチというのが結構多く、確かにこの径なら圧力を掛ければ20L/min程度の窒素ならば流れてしまうのですが、かたやマスフローメーカーが世に出す中大流量用のモデルは当然余裕のある大きめの配管径で使われる事を想定しているので、先の事例のような事はありがちなのですね。

そういった場合、1/2”RCに接続して(つまり自身は1/2“Rのオスネジを持ち)1/4”RCに変換するような異径変換継手が必要な場合があります。
焦らなくてもこういった継手は、結構豊富に揃っているので、組み合わせることで簡単に対応できます。(下図上)
160112_01.jpg
ですが、MFMの性能をクリティカルなところで発揮させなければ行けない用途の場合、こういったMFMのガス入口、出口の口径を急激に絞るようなやり方は、あまりお薦めできません。

以前、大流量MFMのお話でご説明したようにMFC、MFMに流入する流体は層流状態であることが前提です。
mL/minやSCCMオーダーならまだいいのですが、それなりの流量が流れ込んでくる場合、配管径の急激に変わるポイントや、エルボー等の曲げ部で流速に変化が生じ、それにより乱流が生じます。
MFCは自身に流量制御バルブを持っているのでオリフィスがあって流量を絞るからまだ良いのですが、MFMの場合は大きな配管抵抗になるパーツがないので、入口側だけでなく、出口側の配管径の変化にも敏感な性質を持っています。
センサー方式が巻線センサーの分流式の場合は、層流素子とセンサーチューブとの分流比が崩れる事で、またMEMSセンサー方式の場合、センサーが設置される壁面付近の流れに乱れが生じる事で、流量異常(メーカーで校正した値と測定値がずれる)を起こします。
MFCでも100SLM以上になってきますと、出口側の口径が断続的に変化して、ガスがたまるような部位があるとソレノイドバルブの流量制御に悪影響を及ぼす(二次圧力変動影響)現象も生じる事があります。

ですから各マスフローメーカーは、設置の際に入口出口に配管径の5倍から10倍の直管部を設けてもらうよう取扱説明書に記載している事が多いです。
上図下にあるように曲がりのなく配管径も一定の直管部をマスフローに取り付けることでより正確な流量測定が行えます。
お使いのMFMがどうもメーカーの検査成績書通りの性能を発揮していないなぁとか、指示値通りなのにプロセス結果に問題が生じていると考えられる場合は、一度この継手周りを確認してみてください。
継手はどれを選んでも良いマスフローなのですが、実は流量が増えてくると配管径に関してはナーバスな部分が見えてくるというお話でした。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

テーマ : ものづくり
ジャンル : ビジネス

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プロフィール

EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠

Author:EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠
MFC千夜一夜物語のDeco こと 黒田 誠 です。
2014年6月より流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”EZ-Japan(イージージャパン)として開業いたしました。

流体の流量・圧力・温度に関わる計測・制御技術の伝承と、新技術のご紹介を行うエバンジェリスト(伝道師)の仕事を生業といたしております。

日本工業出版さんの「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載を続けさせて頂いています。

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