真・MFC千夜一夜物語 第198話 MFCの継手のお話 その1

日本工業出版さんの「計測技術」誌での「マスフロー千夜一夜物語<質量流量計の基礎>」という連載も2015年11月号で18回目を迎えさせて頂きました。
皆様、ありがとうございます。

さて、今回からMFC(マスフローコントローラ)の継手のお話です。
継手は読んで字のごとく「継ぐ手」です。
MFC自体がスタンドアロンで使用できる機器ではなく、配管システムの部品の一つ、つまり流体制御という舞台に立つ1プレイヤーに過ぎない事は、この連載でも何度かお話ししてきました。
上流のガスボンベやコンプレッサーから送られた流体を調圧器(レギュレーター)が圧力を落としたり、三方弁が分流したりしてものを、流量制御して下流の反応炉(チャンバー)に送る為には、流体の流路がしっかり繋がっていなくてはいけません。
その役割を果たすのが継手(Fitting)です。

MFCの継手には色んな種類のものがあります。
一般的なものはVCRタイプ、SWLタイプ、RCタイプ等があります。
個々に見ていきましょう。

VCRという呼称は、一般的によく使われているのですが、本来はVCR®と表記される元々はCajonという会社の商品名で、現在はSwagelok社の商標です。
メタルガスケット式面シールタイプの継手の代表選手なのですが、他社さんですと例えばフジキンさんだとUJRという同等品があったりします。
ここら辺のところは大人の事情と言うことで、詳しくは各継手メーカーさんにお訊ね下さいね。

151109_01.jpg

注意)上図はSwagelok社のカタログから引用しました。
詳細を確認されたい方は、こちらのURL でダウンロードされるか、スエジロック・ジャパン社に直接確認されることをお奨めします。


さてこのVCRタイプはメタルガスケットを押しつぶしてシールする方式ですので、微細な隙間で漏れてしまったり、Oリングシールの樹脂の分子間をすり抜けてしまう水素やヘリウムのようなガスも漏らしません。
故に半導体プロセスガスのように毒性や燃焼性のあるガスラインでよく使われます。

この継手のよいところは、内部にガスだまりが少なく、リークチェックもナット部のポートを使って容易にできることもあるのですが、なによりMFCにとってありがたいのは、食い込み継手と違って、最小限のクリアランスで設置ができるため、着脱が容易なところです。

151109_02.jpg

ガスケットを介してオス、メスの接合をする継手の構造上、食い込み継手のように引っ張り抜かなくても良いので、MFCに何か不具合があった場合も、MFCの上流下流のナットだけを緩めて、MFC本体を上方に引っ張り出す事が可能です。
MFCを抜くためにわざわざ周囲の配管機器のナットまで緩める手間も掛かりません。

その代わりこの継手を使う配管を組む場合は、配管のプロに依頼しないとダメです。
公差をきっちり抑え固定した配管でないとメタルガスケットが正面からちゃんと潰されずに、結果としてリークしてしまうことになり、メタルガスケットでリーク性能がいい筈のVCRタイプにした意味が無くなってしまうのです。
前回、「面間寸法124mmや106mmに気をつけて下さいね」と申し上げたのは、これが123mmの不良MFCがあったとして、それを取り付けようとしてもアウトだからなのです。
逆に面間寸法を125mmで配管の方を誤って設計製作してしまってもダメです。
*VCR配管のプロをお探しでしたらご一報下さい。御紹介します。


ですからこの継手は実験用にちょっとMFCを繋いで・・・という用途には不向きなのですね。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

テーマ : ものづくり
ジャンル : ビジネス

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プロフィール

EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠

Author:EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠
MFC千夜一夜物語のDeco こと 黒田 誠 です。
2014年6月より流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”EZ-Japan(イージージャパン)として開業いたしました。

流体の流量・圧力・温度に関わる計測・制御技術の伝承と、新技術のご紹介を行うエバンジェリスト(伝道師)の仕事を生業といたしております。

日本工業出版さんの「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載を続けさせて頂いています。

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