真・MFC千夜一夜物語 第237話 コリオリは完全無欠の質量流量計 その7

もう一つのMFC千夜一夜物語である日本工業出版さんの「計測技術」誌での連載は誌面構成の都合で今月号は休載となってます。次回は「マスフロー千夜一夜物語<質量流量計の基礎>」2017年9月号(8/25発売予定)で連載37回として、マスフローコントローラ(MFC)のトラブルシューティングの解説<後編>となります。

さて、微小流量用コリオリ式流量センサーを搭載したマスフローメータ(MFM)やMFCの解説をさせて頂いていますが、セミコン・ジャパンや学会併設展示会に展示していますと、お客様から「この微小流量コリオリマスフローは、どういった用途で使うといいの?」という質問を頂きます。
確かに世の中には熱式微小流量液体マスフローもある訳で、どういったメリットがあるのだろうと考えられるのは、もっともなので、今回から“コリオリ式マスフローは、このアプリケーションにお奨め”をご紹介していきたいと思います。


1.液体気化システムでの流量測定
まず、一番お薦めするのが、液体材料を気化器で気化供給するプロセスです。
半導体成膜材料等には常温常圧で液体のもの(TEOS等)が多く使われています。
こういった材料をチャンバーに供給するのに、最初に用いられたのは、バブリング(下図)やベーキングのような方法で気化した気体を、チャンバーへ導入する方法でした。

170801_02.jpg
<出展:ブロンコスト・ジャパン(株)>

バブラーではマスフローは熱式気体用、ベーキングでは熱式高温気体用のものが使われていましたが、供給系の温度管理の難しさ、液体材料の高沸点化により、熱式液体MFCを用いて、常温で液体を流量測定・制御し、チャンバー近くで気化器を用いて昇温気化する方法が開発され、普及しました。
下図はALDプロセスで複数の液体材料を気化供給するシステムの例です。

170801_01.jpg
<出展:ブロンコスト・ジャパン(株)>

ここに示したブロンコスト・ジャパン(株)の提供するCEMシステムは、液体材料用MFM+キャリアガス制御用MFC+液体流量制御バルブ付気化器から構成されています。

170801_03.jpg

液体用マスフローを用いた気化供給システムの構成は、図のような液体流量を測定するMFM部と、気化器前段で流量制御する制御バルブ部、キャリアガスラインを制御するMFCそして気化器で成り立っています。(必ずしもこの組合せになる訳ではありません。)
チャンバーまでのほとんどの配管を液体材料の状態で常温搬送する事で、ヒーターやヒートエクスチェンジャーで温度管理を必要とする経路を短縮し、温度ムラや断熱膨張による再液化を防ぐことができるのが、利点です。いきなりチャンバー内のウエハーに再液化した液体材料がドバっと落ちるような事は絶対避けたいですから・・・

では、このシステムをコリオリ式マスフローに置き換えるとどうなるのでしょうか?
その解説は次回にさせてもらいます。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

テーマ : ものづくり
ジャンル : ビジネス

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プロフィール

EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠

Author:EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠
MFC千夜一夜物語のDeco こと 黒田 誠 です。
2014年6月より流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”EZ-Japan(イージージャパン)として開業いたしました。

流体の流量・圧力・温度に関わる計測・制御技術の伝承と、新技術のご紹介を行うエバンジェリスト(伝道師)の仕事を生業といたしております。

日本工業出版さんの「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載を続けさせて頂いています。

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