真・MFC千夜一夜物語 第234話 コリオリは完全無欠の質量流量計 その4

もう一つのMFC千夜一夜物語である日本工業出版さんの「計測技術」誌の「マスフロー千夜一夜物語<質量流量計の基礎>」という連載も2017年6月号(5/25発売)で連載35回を迎えさせて頂きました。
本号ではAPC(Automatic Pressure Controller)の解説をさせてもらってます。
170529_01.jpg
APC(Automatic Pressure Controller) 出展:ブロンコスト・ジャパン(株)

ブログの方は、引き続きコリオリ式流量センサーの特長のお話です。
コリオリ式流量計は流体の物性をその流量式に必要としない為、アンノウンな流体や混合比率のわからない流体でも質量流量の測定が可能です。
これはコリオリの特筆すべきポイントとなっています。
その点を高く評価して「コリオリ式こそが完全無欠の質量流量計に近い」と、Decoは考えています。
同じ質量流量計に分類される熱式との比較を下にまとめてみましょう。

170529_02.jpg

これだけだとコリオリ式は熱式をはるかに凌駕した存在と思えますね。
ですが、実際にはもちろんコリオリ式にもウィークポイントがあります。

まずは振動影響です。
センサーチューブを振動させる方式のため、外来の強い振動には弱い傾向があります。
例えば液体を圧送するポンプの振動です。
熱を用いてセンシングする熱式流量センサーは温度変化に弱いのと同じく、センサーチューブを振動させてセンシングするコリオリ式流量センサーは、外界からの振動にセンシティブです。
具体的にはゼロ点の安定性への影響が大きく、センサーチューブのSN比が悪いフルスケールレンジで使っている場合には、顕著にトータルエラー(精度性能+ゼロ点安定性)に影響します。
その為、大流量のコリオリ式流量計は大型化し、自重が重いものが多いのです。
自重が軽い小流量用コリオリ式マスフローは、本体が軽いだけでなく、流量レンジが小さい分センサーチューブも細いので、振動影響への対策が必要になります。(下図)
170529_03.jpg

コリオリ式マスフローメーターと固定用器具 出展:ブロンコスト・ジャパン(株)

特に微小流量用コリオリ式マスフローの測定の安定性を確保するためには、強固で重量のあるオモリや建造物にしっかりと固定して外部からの衝撃や振動は避けなくてはいけません。
また、複数の機器を近くに設置する場合、相互干渉(クロストーク)を避けるために個々に別のオモリや構造物に固定されるべきです。
ブロンコスト・ジャパン(株)では、写真のようなマスブロック(金属製のおもり)やゴムの除振ダンパなどさまざまな固定用器具を用意しています。
ご購入の際は、据え付け環境を考慮して、こういったツールを活用されるとよいかと思います。


【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

テーマ : ものづくり
ジャンル : ビジネス

コメント

Secret

プロフィール

EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠

Author:EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠
MFC千夜一夜物語のDeco こと 黒田 誠 です。
2014年6月より流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”EZ-Japan(イージージャパン)として開業いたしました。

流体の流量・圧力・温度に関わる計測・制御技術の伝承と、新技術のご紹介を行うエバンジェリスト(伝道師)の仕事を生業といたしております。

日本工業出版さんの「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載を続けさせて頂いています。

最新記事
リンク
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ