真・MFC千夜一夜物語 第99夜 MFCはデジタルか?アナログか?その5

MFC(マスフローコントローラー)のデジタルとアナログに関してのお話です

前回、Decoの持論「デジタルMFCはデジタル通信で使ってこそ、その真価を発揮する」という発言をさせて頂きましたが、「その通り!」という声と、「いや、そうでもないぞ!」という声を頂きました。

確かにデジタルMFCの性能自体は、アナログ世代より向上しているのですから、例えアナログで使用した際もその恩恵は変わらず受けることができるわけで、その観点で「そうでもないぞ!」というご意見にも一理あります。

ここで問題となるのは、アナログ信号で制御した場合の「アナログ対応」型のデジタルMFC本体の性能の問題ではなく、通信の間に何度もアナログ-デジタル変換回路(A/Dコンバーター)とデジタル-アナログ変換回路(D/Aコンバーター)を経由することの問題です。

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 MFCと通信する機器、例えば流量設定器やPLC、こういった機器も内部でデジタル処理したものをD/A変換してアナログにしてMFCに送ったり、逆にMFCからアナログ信号をA/D変換してデジタル処理したりしているというのが現実であり、MFCのアナログ入出力信号は何回となくD/A、A/D変換をした信号がやってくると考えた方がいいのです。

 こういったアナログ-デジタルの変換が続くと、気になってくるのが変換ロス、変換が続くことによる誤差拡大です。
例えばA/Dコンバーターはアナログの信号をデジタル信号に変換しますが、その変換に関しては分解能がその性能をまず左右します。
分解能の性能を二進数の桁数=ビットで表します。デジタルMFCが産まれた頃は8ビットのものがよくつかわれていました。
その後12、16、32・・・とビット数は増えていき分解能はよくなっていきましたが、どこまで分解能を上げて行っても、あるところで均された信号の積み重ねは、思わぬ誤差を拡大していくものです。
これは一例で、それ以外にも温度依存性や微分非線形性誤差、積分非線形性誤差といった誤差要因も当然拡大されます。

 こういったリスクを踏まえ、「極力アナログ-デジタル変換ポイントを減らしていく方が、ベターではないか?」とDecoは考えています。

次回からは現在のデジタルMFCの通信形態に関してお話ししましょう。


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真・MFC千夜一夜物語 第98夜 MFCはデジタルか?アナログか?その4

MFC(マスフローコントローラー)のデジタルとアナログに関してのお話です。

今回はデジタル化への動きの中で、アナログに対して何が優れているか?という点を通信の観点でお話ししていきましょう。

MFCの設定信号入力、流量信号出力は一部を除いてアナログ0-5VDCが用いられてきました。
以前お話ししましたが、アナログ信号系で電圧信号を用いるのはMFC以外の機器、特に計測機器では少数派です。計装機器では圧倒的に電流信号4-20mAが強いのが現実です。
それはなぜでしょうか?

一つには伝送距離の問題があります。
電圧信号は減衰のため10m以上の距離で信号を送ると、電圧が降下してしまいます。
これは配管にガスをある圧力で流すのと同じだと考えて頂ければわかりやすいかもしれませんね。

更に大きな問題は対ノイズ性能です。
0-5Vの信号ラインに1Vのノイズが乗れば、シグナルの20%のノイズが乗ることになりますが、電流信号の場合は、電流信号を作る電流変換器自体が高い抵抗値(5MΩ程度)で構成されているため、実際流れる電流への影響は I=V/R ですから、とんでもなく小さな影響しか及ぼさないことになるのです。

伝送距離に関しては、「そんな長い距離は引かないから大丈夫」と言ってられますが、対ノイズ性能に関しては、顔が青くなるところです。
ここでMFCがデジタル通信で信号のやり取りを行う意味が出てきます。
デジタル信号は「0と1」の組み合わせの信号ですから、当然減衰という問題は生じませんし、ノイズを拾うことも少ないです。(ただしデジタルノイズや通信トラフィックという問題をデジタルでは別で考えないといけませんが・・・)

 また、デジタル通信は、例えばRS485などでは複数のMFCをデジチェーンでつなぎ、ホスト側から集中コントロールすることも可能です。(RS232CでもMFC1台1台にアドレスを持たせて通信できるようにしているMFCもありましたが、本来1vs1通信規格であるため、通信速度の面で否めませんでした。)
今までの1台のMFCに設定器、表示器を設置して個々に制御をかけていたのを、パソコン1台でまかなうこともできてしまいます。
なかなかもって、いいことづくめですね!

これはDecoの持論ですが、「デジタルMFCはデジタル通信で使ってこそ、その真価を発揮する」と思っています。

確かに今までは従来制御系と互換性があり、その意味で実用性のある「アナログ対応デジタルMFC」が主流でしたが、これらのMFCは、アナログとして使うには細かな部分で問題もありまして・・・
詳しくは次回お話しします。

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真・MFC千夜一夜物語 第97夜 MFCはデジタルか?アナログか?その3

MFC(マスフローコントローラー)のデジタルとアナログに関してのお話です。

今回はデジタルMFCのデジタル通信による制御が一般的になる前のお話から始めましょう。
デビューしたデジタルMFCに立ちふさがったのは「従来機種との互換性」という壁でした。
MFCは装置を構成する一部品ですから、当然装置側との信号のやり取りだけではなく、配管接続径、継手種、はては各寸法までを考慮して選定されています。
そういった厳しく統制された「アナログ語」という言語でコミュニケーションしている集団に、いきなり「デジタル語」という言語しか受け付けない異質な部品を組み込むわけにはいかない・・・といったところでしょうか?

第1世代デジタルMFCの一部を除き、デジタルMFCは「アナログ対応」を謳って互換性を確保し、「従来機種との上位互換」であることをまずは売りとして、市場に投入されていくことになるのでした。
では、その中身はいったいどのようなものなのでしょうか?
それは下図をご覧下さい。

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 簡単に言ってしまえば、AD/DAコンバーターを追加してアナログの入出力に対応したのです。
この「追加する」という表現はいささか事実と反しています。
なぜならばデジタルMFCに搭載されているセンサー、アクチュエーターはアナログ信号でやりとりされるマテリアルですから、当初からデジタルMFCはAD/DAコンバーターを搭載していました。
(図の下の方の信号のやりとりですね。)
つまり「従来のアナログMFCとの互換性を確保するために、設定入力のAD変換と流量出力のDA変換というファンクションを更に追加した」という表現が正しいですね。

これで「互換性の壁」であるアナログ信号での制御も可能になり、デジタルMFCの高性能・高機能を引き出せ、さらに必要なときはサブシステムでデジタル通信を行うことでデータロギングもできる・・・そんな実用性の高いMFCが登場することで、やっと市場はデジタルMFC化へとゆっくりと動き始めるのでした

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ダイエットを始めてます その4 目標まであと1.4kg・・・なんだけどなぁ

ダイエットは順調です。
サプリメントのせいか?胃の調子が悪かったり、7月第2週からの暑さで夏バテ気味になったので、肉魚を取るよう食物を調整したりしていますが、基本的に米(炭水化物)を減らすダイエットを継続してます。


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6月ほどのペースではありませんが、3kg近減りました。
体格は減った体重以上に変化しているようで、実際に会った方には「どうしたの?どこか具合悪いの?」的な心配をされてしまいます。
久しぶりにYシャツを来たらブカブカ、スラックスもアジャスターで調整してもずり落ちる位です。

あと目標まで1.4kgなのですが、暑さと足の不調でウォーキングできないのがイタイですね。
その代わりと言ってはなんでが、今週からゴムチューブを使った筋肉トレーニングを追加してます。

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写真・・・猫が邪魔ですが^^;
引っ越しの際にしまい込んでたのを引っ張り出してきて、インナーマッスルを強化するべくがんばってます。

話題の会社=タニタの活動量計”カロリズム EXPERT”を頂いたので、着用してみました。

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ただの消費カロリー計ではなく、”行動を「走り」「歩き」「生活」「安静」の4つに分けた「行動別」の消費カロリーや時間、脂肪燃焼量などを表示”してくれるそうです^^

操作は簡単!直感的に行えます。
これって色んな層が利用する健康器具というジャンルでは、すごく重要な性能ですよね。

また、身につけるための治具も3種類附属されている心遣いがうれしいですね。
クリップウエアがTシャツには便利だし、スーツ姿ならストラップ付けて胸ポケット、カジュアルならスライドクリップと使い分けられそうです。

早速、筋トレでカロリーを消費してみたところ、どうやらこれは「生活」に区分されたようです。
使用感は、次回にでも・・・

カロリズム EXPERT くわしくはこちらで。

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真・MFC千夜一夜物語 第96夜 MFCはデジタルか?アナログか?その2

MFC(マスフローコントローラー)のデジタルとアナログに関してのお話です。

 さて、話題は時代を遡り、日本半導体がまだまだ強かったころ、デジタルMFCが世に出たころのお話です。
デジタルMFCは応答性や精度の向上といった面に加え、今までのアナログ信号(0-5VDC)で行ってきたMFCへの流量制御信号入力や流量出力信号の読み取りを、ダイレクトにRS232C通信を介して行うことが可能になりました。

 それまでも、MFCの信号をD/A、A/D変換して制御を行うことはありましたが、ダイレクトでMFCとデジタル通信ができる利点として流量信号のやり取りだけではなく、今までできなかった色んな機能をユーザーサイドでパソコンを使用することも可能になることが挙げられます。

 例えばMFCに流量積算をさせてみたり、ゼロ点リセットをしたり、CFを変えたり、設定と出力不一致アラームをとったり、内部信号の経時変化アラームを取り込むこともできましたし、もっと深いところまでいけば、MFCの調整のキモである応答特性の時定数をいじることも可能でした。

 ただ、当時はまだパソコンも今ほど一般的ではなく、どちらかというとまだマニアのものであり、それを駆使してMFCを活用するというのは、なかなか少し敷居の高いものであったのも確かです。
研究機関の実験用や、MFCに詳しい設備メンテナンスの担当さんなどが、そういった独自のMFC管理システムを構築して、運用されましたが、MFCの主力販売対象である装置メーカーさんなどは依然として、従来のアナログタイプのMFCを使用されていました。

 装置メーカーさんに本格的にデジタルMFCを採用されるのは、次の世代 DeviceNetなどのフィールドバスの時代まで待つ必要がありました。
原因の一つには、RS232C通信とは言いながら、その中身はMFCメーカー毎のオリジナルであり、各社間にソフト上の互換性が無かったことを、装置メーカーさん側で嫌気された為だと思います。
通信規格の一本化と汎用化が望まれていたわけですね。

 万人に受け入れられるのには時間と工夫が必要なものです。
デジタルMFCのデジタル通信による制御という分野も同じだったわけですね。


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真・MFC千夜一夜物語 第95夜 MFCはデジタルか?アナログか? その1

今回からMFC(マスフローコントローラー)のデジタルとアナログに関してのお話です。

電源のお話の際に少し触れましたが、現在の新製品の出荷比率ではデジタルMFC(ディジタルMFCとも表記されます)が主流を占めているMFC業界です。

ところが、このデジタルMFCの使い方は、実は真っ二つに分かれています。

「使い方」=「MFCへの設定信号(SV)と流量信号(PV)の伝え方」のことです。
デジタル通信で使うべきか?それとも従来通りアナログ制御系で使うべきか?
皆様 どう思われますか?
実はこれもすごく悩むところなのです。

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本来MFCの信号はアナログ DC0-5Vが最も使われる頻度が高かった事は、以前のお話で触れたかと思います。
というか、MFCが産まれた当時は、アナログ信号しかなかったのですから・・・むしろ、アナログ信号でも、4-20mAや、DC1-5Vになぜしないのだ!という論争はあったのですが・・・・

 そんな最中、世の中にデジタル制御化されたMFCが登場します。
Decoの記憶が正しければ、その1号はエステック社(現:堀場エステック社)のF1シリーズだったかと思います。
なぜ覚えているか?と言いますと、展示会でフォーミュラカーとキャンギャル風のコンパニオンさんがいて盛大にPRしていたから・・・かもしれません。
(当時の関係者の方々 Decoの脳内光景が間違っていたら、ごめんなさい)

この画期的な1号デジタルMFCで提唱されたのが、デジタル制御、デジタル通信で動くMFCでした。(余談ですが、"FORMULA 1"を想像させるF1という名前の象徴する通り、マルチ検量線機能、全流量域高速応答など今のMGMRの始祖というべき先進のフラッグシップ的内容だった・・・はずです。すいません。実は手元に全く資料がないのです。どなたか教えていただけたら幸いです。)

これで一気にデジタル通信花盛りとなったか?と言うと・・・そうは簡単にいかないのがMFCの世界なのでした。次回に続きます。

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真・MFC千夜一夜物語 第94話 【MFC用語辞典】Part2

MFC(マスフローコントローラー)の四方山話です。

今回も【MFC用語辞典】として過去の連載で使った言葉に再度簡単な説明をつけて取り上げてみます。

設定信号

・MFCに対して制御させたい流量値を入力する信号

・計装の世界で言う SV(Set point Variable)目標値

・大部分のMFCはDC0~5Vを使用する(フルスケール流量=5V)

・設定信号をいれたから、必ずその通りMFCが動くわけではない

・「Set Volumeの略」というのは言い得て妙な気もしますが、誤認です

流量信号


・MFCの流量制御している値を出力する信号

・計装の世界で言う PV(Proces Variable)測定値

・この信号が「実際にMFCが流している流量値」だと思ってはいけない

・流量信号が0ならば、そのMFCのバルブ開度も0だというわけではない

・「Practical Volumeの略」というのは誤認です

ソレノイドバルブ

・「ソレノイドバルブ」というのは説明不足で、「ソレノイドアクチュエータで駆動するバルブ」

・海外MFCメーカーに多く採用されている

・コイルにかける電圧で、電磁力を調整することで伸縮させる方式

・ノーマリクローズに適した構造だが、ノーマリオープンも対応可

・ピエゾバルブ搭載MFCより応答が遅いというのは誤り (MFCに搭載した場合、部品単体のではなく、あくまでパッケージとしての応答性比較となるため)

ピエゾバルブ

・「ピエゾバルブ」というのは説明不足で、「ピエゾアクチュエータで駆動するバルブ」

・国産MFCメーカーの十八番技術

・圧電素子に電圧をかけることで、結晶構造体が変位させ伸縮させる方式

・ノーマリオープンに適した構造だが、反転機構でノーマリクローズ化

・ソレノイドバルブよりもストロークが短いので、大流量には適さない

・推力が大きいという事で金属ダイヤフラムバルブを形成しやすいという最大の利点を持つ

出流れ

・バルブが何らかの原因で閉まりきらない状態で、流体が漏れ流れている状態

・MFCの場合、制御範囲は2~100%を謳うメーカーが多く、2%未満は出流れもあり得る

・NC/NOに関係なく出流れは起きる ただし非通電時のNOは出流れではなく、そもそも全開状態

・出流れは生成物がバルブオリフィスに付着した場合に起こりやすい

・「その生成物がどこで生じたか?」はMFCメーカーとユーザーの間でクリティカルな問題を起こしやすいので、簡単に片付けてはいけないお話

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真・MFC千夜一夜物語 第93話 【MFC用語辞典】Part1

MFC(マスフローコントローラー)の四方山話をさせて頂いています。

今回は休憩&今までのおさらいの意味で【MFC用語辞典】として過去の連載で使った言葉に再度簡単な説明とコメントをつけて取り上げてみます。

MFC

・Mass Flow Controllerの略語。訳すと「質量流量制御器」

・内蔵する熱式センサーが、ある条件下では疑似質量流量を計測できる事を利用した流量制御器

・日本ではよく「マスフロー」と呼称される

・スタンドアロン機器に見られがちだが、電源&ガス供給条件に性能を左右される

・トラブルの原因としてやり玉に挙がることが多いが、実は無実なこともあるかわいそうな機器

・あくまで流量を制御するだけであり、ポンプのように流量を作り出すことはできない

MFM

・Mass Flow Meterの略語。訳すとそのものずばり「質量流量計」

・内蔵する熱式センサーが、ある条件下では疑似質量流量を計測できる事を利用した流量計

・「マスフロー」と一般的に呼称された場合、MFMではなくMFCであることが多く、マイナーな存在

・流量表示だけならば、電源不要なフロート式流量計が依然として強く、マイナーな存在

・MFCには仕様圧力条件があるが、MFMでそれを明記してい無いことが多い。だからといって真空から耐圧限界までで性能保証できているかは微妙な所

APC

・Automatic Pressure Controllerの略語。訳すと「自動圧力制御器」

・MFCとは似て否なる用法の物なので、誤用しないように

・MFCの流量センサーを圧力センサーに置き換え、流量制御バルブで作り出せる範囲の流量ベースで圧力を調整するMFCの従兄弟みたいな機器

・MFCメーカーならどこでも開発できるが、必ずしも性能がいいとは限らない

・レギュレーターとの違いは、ぱっと見は電気式と機械式の差だが、むしろガスを流さない状態で調圧できるか?できないか?が重要な差=ガスの流れを調整することで、その上下流に圧力形成するのがAPC

NO

・ノーマリオープンNormally Openの略語

・MFCの場合、非通電時に流量制御バルブが全開状態となることをいう

・電気回路の故障でバルブへの通電が断たれた場合も全開となるので要注意

・反面、バルブが全開ならばパージはしやすいため、周辺の空圧弁との組み合わせ次第

・ある種類の装置以外では、使用されることは少ない

NC

・ノーマリクローズNormally Closeの略語

・MFCの場合、非通電時に流量制御バルブが全閉状態となることをいう

・「故障したら閉」は安全に思えるが、MFCのバルブに完全な締め切り性能が無いからガスシャットオフは保証されていない、パージラインがないと残留ガスを抜けないという盲点がある

・MFC出荷数の8割以上がNC

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真・MFC千夜一夜物語 第92夜 もしもMFCに水がかかったら?・・・その2

MFC(マスフローコントローラー)で防水仕様はないのか?というお話です。

前回、JIS(日本工業規格) 電気機械器具の外郭による保護等級(JIS C 0920)及びIEC(国際電気標準会議) エンクロージャによる保護等級(Degrees of protection provided by enclosures (IP Code)/IEC 60529)で定めるところの規格「IPコード」をご説明しました。

「じゃあ、現在このIPコードに対応したMFCってあるの?」というご質問が当然あるかと思います。
どちらかというと半導体装置がメイン用途なMFCにとっては、ちょっとニッチな分野になるのですが、本日はそんなMFCのご紹介です。

ブルックスインスツルメントさんのSLAMf50シリーズは、IP66&NEMA 4Xに対応した耐候性能を持つ一風変わったMFCです。
流量のフルスケールレンジはN2換算で3CCMから2500LPM(L/min)という広い範囲から選択して頂けます。

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IPX6級と言うことは耐水型ですね?
「あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない」という仕様です。

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一般的な産業用の感覚で言われるところの「防水」性能としては、充分ではないでしょうか?
まさかガスMFCを単独で水没させて使用される用途があるとはDecoには思えないのですが・・・

また、このMFCのもう一つの特徴は専用電源に関してです。
このシリーズは計装機器に使用される電源としてはメジャーなDC24Vに対応していることです。
つまり前の章でお話ししました従来のMFC専用±15VDC電源を準備頂く手間がありません。
流量信号も0-5VDC電圧信号だけでなく4-20mA電流信号、RS485、DeviceNetなどの通信対応できるモデルも選択できます。

ブルックスインスツルメントさんの製品SLAMf50シリーズをご紹介しました。
詳細はこちらからご確認ください。

今回資料提供を頂きましたブルックスインスツルメント株式会社様には、この場を借りて御礼申し上げます。

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真・MFC千夜一夜物語 第91夜 もしもMFCに水がかかったら?・・・その1

もしもMFC(マスフローコントローラー)に水がかかったら・・・というお話をしましょう。

 MFCは空圧弁などの純粋な機械部品で構成された配管コンポーネンツと異なり、電子部品を搭載した流量制御機器です。
その為、当然水がかかった箇所から浸水した場合、基板でショートしたりして機能を喪失する場合があります。
また、「水」と書きましたが、全てが無色透明な液体でも純水とは限りません。
もし腐食性の強い液体で、ボディのSUS316LやSUS304、ケースの樹脂を侵す性質ならば、なおのこと大変です。
そういった場合は、慌てず騒がず・・・まずMFCへのガスへの電源供給を絶ちましょう。
その状態で、できる限りのパージを行い、水がかかってしまった状況、箇所などを克明に記したメモを付けて、メーカーの修理・サービス部門に送ってくださいね。

こういったトラブルを想定してか?たまに「防水MFCってないの?」というお問い合わせを頂くことがありました。

恐らく時計や携帯の宣伝で使う「完全防水」をイメージされているのかと思います。
しかしながら、外部からDC電源を供給しなくてはいけない機器であるMFCで、そもそも「完全防水」という定義の製品は存在しません。
しかし、防水性能を段階的な等級表記で表し、ある程度の性能を謳った製品はあります。

 JIS(日本工業規格) 電気機械器具の外郭による保護等級(JIS C 0920)及びIEC(国際電気標準会議) エンクロージャによる保護等級(Degrees of protection provided by enclosures (IP Code)/IEC 60529)で定めるところの規格で「IPコード」と呼称します。
IP65などという表記を見たことがある方もおられるかもしれません。
この表記で数字の十の位は、人体、及び固体に対する保護等級(外来固形物いわゆる防塵)、一の位が水の浸入に対する保護等級(防水)ですので、防水だけを表記する場合はIPXという防塵の等級表示をXに置き換えて使用することもあります。

簡単にまとめますと、以下の内容になっています。
*米国のNEMA(National Electrical Manufacturers Association)が定めた等級もあります。
NEMA 4X等と表記されます。


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時計などで「完全防水」というのはこのIPX8(JIS防水保護等級8級)仕様を指しているのでしょう。
正確には「水中型」ということですね。

ほう、水中型か・・・
じゃあ、MSM-07ズゴックはIPX8仕様なのかぁ・・・という冗談はさておき・・・

実際水がかかるような環境で使用できるMFCとは、どんな物なのでしょうか?
次回、実機をご紹介しながらご説明しましょう。

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真・MFC千夜一夜物語 第90夜 地震が来たらMFCをどうしたらいい?その2

MFC(マスフローコントローラー)を使用している最中に大規模な地震が発生した場合、どうしたらいいでしょうか?というお話です。

危機回避の原則は「君子危うきに近づかず」です。
一見消極的ですが、大事な自衛策ですね?地震だけでなく台風、竜巻による被災時も地震と同じです。
どちらの場合でも二次的な被害として長時間の停電が懸念されます。

「MFCは通電してこそ動作する、停電したら全く機能していない」ということを忘れないでくださいね。

復旧が進んだ状況=少なくとも配管のリークチャックが完了していることを前提で、簡単なMFCのチェック方法をお話ししましょう。

MFC本体のダメージを確認する方法

MFC、特に内蔵している流量制御バルブは精密な構造です。
大きな揺れで密かに一番ダメージを受けやすい箇所でもあります。
復旧が進み、MFC周辺のリークが無いことが確認され、ガスが再投入される際に、もし可能ならばMFCにF.S.0%と100%の信号を入れてみてください。(MFCを搭載した装置自体の復旧、再起動プロセスに対して問題がないかは、必ず個々に確認してください)

・0%設定でちゃんとガス流量表示は0表示になりましたか?
0にならなかったら、ガス供給圧が復旧前よりかなり高くなっているか?またはMFCのバルブが衝撃で変位してしまい、締め切りが悪くなり出流れが生じている可能性があります。

・F.S.100%設定でちゃんと100%の表示が出ましたか?
流量がいつまでもF.S.100%に達しない場合は、ガス供給圧が復旧前よりかなり低くなっているか?または衝撃でMFCのバルブのリフト量が衝撃で小さくなってしまっている可能性があります。

それぞれの症状が確認された場合、ガス供給圧力表示でMFCへの供給圧を再確認し、事前と変化がないようでしたら、MFCに不具合が生じている可能性があります。
一度メーカーさんで点検してもらった方がいいかと思います。
ここで復旧を急ぐからと言って、MFCの不具合確認、修理点検を自前で行なう事は避けてください。
バルブ・オリフィスのギャップは微細なものですので、一度衝撃で不具合が生じた場合は、とても現場で修理できるものではありませんから。

MFCの一番振動に弱い箇所をチェックするだけでも、復旧後のMFC動作不良によるプロセス再度停止を事前に避けることができます。

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真・MFC千夜一夜物語 第89話 地震が来たらMFCをどうしたらいい?その1

MFC(マスフローコントローラー)を使用している最中に大規模な地震が発生した場合、どうしたらいいでしょうか?

東日本大震災の惨禍からの記憶もまださめやらぬ状況ですが、日本列島のどこにいても地震からは逃れられないと思って備えを怠ってはいけないという教訓であったとDecoは思っています。

当然ですが、地震が起きたら自分自身の安全確保が最優先です。
また、所属されている団体により避難誘導、緊急時の設備への対処方法が定められていると思いますので、それを遵守して頂くのが大前提です。
また、MFCは、装置の一部品である事が多く、緊急時は装置側からのインターロックが働き、制御が安全方向に行われ、停止しているはず、ということも前提にお話させていただきます。

・最悪を想定して対処を始めよう
トルク管理された組み立て工程で製造されているMFCですが、あくまで内部圧力が1MPa~真空に耐えるための構造であり、阪神大震災、東日本大震災クラスの激しい外部からの衝撃が長時間続くことは想定されていません。
どこが緩んで、どこが破壊されてガスが漏れ出しているかわからない状況・・・という最悪の状況を想定して、対処を始めましょう。

・リークチェック前に下手にさわらない、取り外そうとしない
ガスは目には見えません。
つまり、停止しているMFCがどういう状態なのか?見た目ではわからないと言うことです。
こういった状況で一番恐いのはガスリークです。
残留しているガスが、地震で緩んだ配管継手やシール部から漏れ出す可能性があり危険です!
リークチェックが最優先です。     

・安易に再始動(電源投入、ガス再注入)しない
NC=ノーマリクローズ仕様のMFCや遮断バルブは緊急時に閉止します。
*ちなみにNO=ノーマリオープンタイプの場合は全開になります。
つまりガスは閉じ込められた状態にあります。
その状態で前述のようにガスリークの有無を確認せずに再起動をかけるのは二次災害の元です!      

・日頃から使用しているMFCがNOか?NCか?を理解しておく
先ほども触れましたが、NCは非通電時に閉止しますが、NOは逆に全開になります。
使用されているMFCがどちらなのか?により安全確認、復旧の対処も異なってきます。
ラベル・型式などで予め確認しておかれるのがよいでしょう。
わからない場合はシリアル番号でメーカーに製造履歴を問い合わせる方法もあります。


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新・MFC千夜一夜物語 第88夜 MFCの流量制御は簡単なようで・・・ その3

MFC(マスフローコントローラー)の流量制御手順のお話です。

今日のお話は、先週の続きで、注意しなくてはいけない点=2.MFCの制御バルブの出流れはしていないか?です。
MFCのバルブの出流れ=閉塞不良が生じていると、いったいどんな問題があるのでしょうか?最近おなじみの図で見ていきましょう。

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MFCのバルブと下流側バルブの間に貯まったガスは、MFCでは制御できないというのが、先週お話しした1番目の問題でした。
それを解消するためにはMFCの二次側を真空に引いて残留ガスを抜いてしまうことでしたね?
ところがMFCの流量制御バルブのオリフィス部に異物が付着し、ギャップが生じていたり、使用しているMFCが第1世代のサーマルバルブタイプの場合、完全にMFCの流量制御バルブではガスを閉じきる事ができず、チョロチョロとガスが出流れしてしまいます。

注意!そもそもMFCのバルブは流量制御性能を重視していますから、最新型MFCで正常動作していても、空圧弁や手動弁のように完全に締め切ることはできません。

 そうなるとせっかく真空に引いたMFCと下流バルブまでの部分(図中の赤い太線)に、また気がつかないうちにガスが貯まっていき・・・ガスを流し始めたときに、またまた制御できない突入ガスが・・・という現象が起きてしまいます。

 この対策としては、流量制御開始時にいきなりチャンバーへガスを導入せず、排気ラインにいったん流して、安定してから切り替える「捨てガス」という手法が従来から採られています。
経時変化や、なんらかのトラブルでMFCの流量制御バルブが出流れを起こしてしまう可能性がある以上やむを得ないことですが、高価な稀少ガスを捨てることや、プロセスで無駄な時間要することが、最近では問題視されています。

この現象で生じる突入ガスの量は①ガスの供給圧力×②MFC流量制御バルブと下流側バルブの間の配管容積(配管径と長さ)で決まります。
ということはこの部分のボリュームを極力小さくする事が、現象を押さえ込むキーということになりますね?

 ここ数年、MFCメーカーさんが接ガス部の加工技術に工夫を加えたり、またガス配管を集積ユニット化することで配管ボリュームの削減がなされています。
また、本体に流量制御バルブに加え、シャットオフバルブを内蔵することで、極限までこのボリュームを減らしたモデルが市場に提案されたこともあります。

残念ながら、現実的な問題として、このボリュームをゼロにするのは難しいです。
そうなると使う側がこの問題に関して認知しているか?否か?で大きく問題が発生した際の対応が変わってきます。
今回のお話を頭の片隅にでも置いて頂けると幸いです。

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真・MFC千夜一夜物語 第87夜 MFCの流量制御は簡単なようで・・・ その2

MFC(マスフローコントローラー)の流量制御手順に関するお話です。

前回「ガスを流す前にMFCに流量設定信号を入れてしまっている」というミスを犯さないようにというお話をしました。

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MFCでの流量制御を始める際の手順

① MFCの流量制御バルブを全閉にする(強制閉信号を使うか、ゼロシャット機能があるMFCでしたら流量設定を0にする)

② バルブ1→2の順番でゆっくり開ける

③ MFCに必要な流量設定を入力して、流量制御を始める


ただしこの方法には少し落とし穴があります・・・
注意しなくてはいけないのは、以下の2点です。

1.MFCを含む配管内部のガス排気=真空引きは終わっているか?

2.MFCの制御バルブの出流れはしていないか?


何のことだろう?と思われるかもしれませんが、まずは下の図を見てください。

MFC111012.jpg


MFCと、その下流のバルブに注目してください。
この部分は、MFCの継手→配管→バルブの継手という形でつながれているかもしれませんし、直接MFCの下流側継手がオスタイプで、バルブの上流側継手がメスになっていて、相互を接続している場合もあります。
この部分(図では赤い太線矢印)の体積が大きければ、大きいほど、(つまり両者の距離が離れていれば、いるほど・・・)ここに残留するガスの量は多いということになりますね?
そして問題は、「MFCはこの部分に溜まったガスを制御することができない!」という事なのです!

 MFCの流量制御開始前にここにガスが残留していた場合、手順②でバルブを順番に開けていくと、MFCの流量制御信号は0で、内部の制御バルブも全閉なのに、なぜかガスが一気に流れる!という現象が起こります。
もちろんMFCが制御を始めるまでのわずかなタイミングですが、そこで起きるガスサージ(おかしな喩えですが、ガスの津波みたいなものです。) は、分析用の微少流量制御が必要な場合や、チャンバー内部のワーク周辺の真空度保持が重要な案件では深刻なトラブルを起こす可能性もありますし、またチャンバー内部のパーティクルを巻き上げて、ワークへ付着等という歓迎されない現象も引き起こしかねません。

 この対策は、MFC二次側のガスを完全に排気しておくことで改善されます。
ところがもう一つのポイント「MFCの流量制御バルブに出流れがあった場合」は、これまた大きなゴタゴタに発展する可能性があります。
これに関しては次回お話ししましょう。


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真・MFC千夜一夜物語 第86夜 MFCの流量制御は簡単なようで・・・ その1

今回からMFC(マスフローコントローラー)の流量制御手順に関するお話です。

この手順というのは大変重要な物です。
ある手順を間違えた、例えばバルブの開閉順番を誤っただけでも大きなトラブルが発生する可能性があります。
簡単なフローを見ながらお話ししていきましょう。

flow.jpg

真空排気されたチャンバーに、あるガスを一定流量流し込むシステムの簡単なフロー図を書いてみました。(今回の説明に関係のない機器は省略してあります。)


【質問】
 真空にひかれたチャンバーで、バルブ1、2は閉、MFCには流量設定器を通じて閉のコマンドが入ってバルブは全て閉止状態です。
チャンバーには真空度の急激な変化で破損してしまうような繊細なワークが入っています。
さて、ここからガスを導入するとき、どういう手順で操作しましょうか?


【回答1】
①MFCに必要な流量設定を入力
②バルブ1と2を一気にあける

【回答2】
① MFCになるべく小さな流量設定を入力する
② バルブ1→2の順番でゆっくり開ける
③ MFCの設定信号を必要な流量までゆっくり上げていく


判定:両方とも×です!


なぜでしょうか?

特に回答2は繊細なワークの性質に合わせて、丁寧に作業しているように思えますが・・・

実はこの2つの回答は、ラフに操作しているor丁寧に操作しているの違いに見えて、実は両方とも大きなミスを犯しているのです。

それは「ガスを流す前にMFCに流量設定信号を入れてしまっている」というミスです。

MFC111005.jpg


 回答1、2の共通点は、バルブで遮断されてガスがまだ流れていない状況で、MFCに設定流量の多少の差はあっても「流量を流しなさい!」という指示を先に入れてしまっていることです。
この指示をもらったタイミングで、まだガスは流れていませんからMFCのセンサーは流量=0を出力します。つまり流量設定値(SV)の要求する値に流量出力(PV)が到達していないので、MFCの制御系は流量制御バルブに「もっとバルブを開いてガスを流せ」という指示をします。
でも、そもそもガスが流れていないので、どこまでバルブを開いてもSV=PVになることはないので、流量制御バルブはこれ以上開けないポイント=全開で待機することになります。

 こんな状況のMFCにバルブを開いてガスを導入すると、果たしてどうなるでしょうか?
MFCのバルブが全開時に流してしまう流量が一気に流れてしまうことになりますね?もちろんガスが流れ始めれば、MFCはセンサーが流量を感知して、SV=PVになるよう制御を始めますので、流量制御バルブを閉める方向に制御して、なんとか設定流量通りにしようとします。
ですが、それが収束するまでにMFCから流れ出した大量のガスの行方は・・・全てチャンバーへ向かうことになりますね。

 この現象に「チャンバーの容積が小さい」「MFCのフルスケール流量が大きい」「チャンバー内のワークが急激な圧力上昇で破損する性質である」等の条件が不幸にも重なると、悲惨な結果を招く可能性が大きいのです。


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真・MFC千夜一夜物語 第85夜 MFC専用電源のこれから~PCでの直接制御

MFCの電源に関するお話の最終話です。
最近のスマホは便利で良いのですが、いざというときにタッチパネルでの操作入力がうまくいかず苦労された方はおられませんか?もしかしてDecoが鈍いだけでしょうか??(汗
今回のお話は、最近増えてきているPCで直接MFCを制御する方法に関してです。

 PCで直接制御できるというのは、PCからコマンドを送って流量設定したり、PCで流量表示をさせたり、ログを残したり、積算流量をカウントさせたりする事を意味します。
それに対応しているのは、本体にデジタルインターフェイスを持つデジタルMFCと言うことになります。アナログMFCですと信号をアナログからデジタルに変換する機器を介せば、同じようにPCで操作が可能ですが、その分のコストが必要になります。
最近はMFCもデジタル比率が急激に上がってきていますので、価格もお手頃になりました。
もしPCでMFCを制御したいという思惑でしたら、迷わずデジタルMFCを選択されるべきかと思います。

MFCのデジタルとアナログに関するお話は長くなりますので、また別の機会を設けさせて頂くとして、今回は電源との接続がどのような形になるのか?一例を見て頂きましょう。

130708_02.jpg


大変シンプルになりますね?
MFCのデジタル通信インターフェイスは、RS232C,RS485に始まり各種フィールドバスにまで展開しています。フィールドバス対応MFCは電源規格も以前お話しした24VDCとなり、±15VDC専用電源も必要なくなる事もあります。
こういった周辺機器の削減にプラスして、デジタルMFCが提供できる機能はPCでのソフトに依存してどんどん拡張できるわけですから、昨今の大学研究機関では非常に喜ばれる存在となってきています。

 でも、MFCは目に見えない危険性の高いもの=ガスを制御する機器であると言うことを忘れないでください。PCのみで制御している場合、PCにトラブルが生じた場合はMFCの安全性に直結するリスクが生じてしまうことを見落としてはいけません。

「ノーマリクローズのMFCだったら、最悪電源を落とせばいいでしょ?」というご意見もありますが、MFCの閉止性能はバルブほど高くはありません。
上手くガスを遮断できたとしても、今度は安全にガスを配管から抜き出し復旧するにはMFCを再度制御してやる必要があります。
「ガスはガスボンベの中にある以外は存在しない状態」まで戻してこそ復旧と言えるのです。

 シーケンサー、タッチパネルで制御される装置でも、必ず非常停止ボタンが別にあり、また復旧プログラムを動かす為のサブシステムが仕込まれています。
下図のような従来のMFC表示設定器とPCとの併用が安全上は望ましい姿かとDecoは考えています。

130708_03.jpg

ただ、これはどこまで危機予測・危機管理をするかという個々の考え方の問題ですので、決して強制するわけではありません。
システムを運用・管理される方々でよくリスクを検討して決めて頂ければと思います。

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真・MFC千夜一夜物語 第84夜 MFCでMFCで警報出力は取れますか?

MFC(マスフローコントローラー)の周辺機器として電源・表示器・設定器のお話です。
と、言っても今回もMFM(マスフローメータ)でのアプリケーションが多い流量の上下限警報をとる方法をお話しします。

 そもそもある程度の温度・圧力条件変動が生じても、設定した流量になるよう内蔵したバルブの開度を制御するMFCと異なり、MFMは条件変動による流量の増減をモニターするのが仕事です。
いわゆる流量監視用なのですが、ここで多いアプリケーションが、そこから一歩踏み込んで、ある管理値以上、もしくは以下の流量に至った場合に警報を出し、その警報出力を装置のインターロックに使用したりする「上下限警報」です。

 このアプリケーションは古くから面積式流量計の一種である 浮子式流量計(フロート式流量計、一般的には“フローメーター”“パージメーター”と呼称されることもありますが、これらの呼称は本来の原理を言い表していないので誤用の可能性があります。)で盛んに開発されたものです。

断続的に断面積を変化させたテーパー管内に流体が流れ込んだ際に、浮子(玉)が浮上してある点でバランスする高さを流量表示とするもので、流量計として普及していますので、実験室や製造現場で見たことがある方は多いかと思います。

この浮子の位置を人間の眼でモニターする代わりに、映像、赤外線、磁力等の方法で捕まえることで流量管理値の上限下限警報を出す方法が工夫されてきました。
ですが、どの方法にも色んなウィークポイントがあり、ユーザーの環境・用途によっては長期信頼性に?が付く場合もありました。

130708_01.jpg

 そこでMFMを使用する方法を考えられたのですが、前回の積算流量アプリケーションと同じで、特MFMは変わったことをしている訳ではありません。
ただひたすら流量出力信号を送るだけなのですが、信号を受ける側である表示器側で上下限値を管理して警報を出力させる機能を持たせればよいのです。
この機能をMFM本体に内蔵した製品もありますが、あくまでそれは一体型になっているだけで、センサーから出力される信号が特殊な訳ではありません。

なお、上下限警報を運用するには表示器側での細かい設定が必要です。
特に警報出力の幅(閾値の±何%で出力するか?)、警報禁止時間(どれだけ状態が継続したら警報を出すか?)、警報はホールドするのか?ワンショットか?等の設定を状況に応じて最適にしておかないといけません。
設定条件が厳しいといきなり大きな問題でもないのに装置が止まってしまったり、警報が常態化したりして意味が無くなってしまったりしますし、逆に緩いと肝心な時にインターロックが作動しなかったり・・・という問題が生じますので。

 MFMを用いた方法は流量信号=電気信号なので、シーケンサー等でも処理しやすく好まれますが、浮子式流量計と異なり、電源供給が必要になるという点で敬遠される場合もあります。
上手く使い分けて頂くのがベストかもしれませんね。

前回ご紹介したユーアイニクス株式会社殿のSP-833ASP-835には警報機能も搭載されていますので詳細は各製品のご紹介をご参照下さい。

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真・MFC千夜一夜物語 第83夜 MFCで積算流量を測れますか?

MFC(マスフローコントローラー)の周辺機器として電源・表示器・設定器のお話です。

 営業をやっていた頃、お電話でよくこんな問い合わせを頂きました。

「マスフローで積算流量を測れますか?」

お話を伺うと「高価なガスを使用するのでボンベの残量管理をしたい」という需要が多かったですね。

「積算流量」とは読んで字のごとく、「ある単位時間に流れた流体の量を積み上げた値」です。
それに対してMFCの出力する流量信号は何を表しているでしょうか?
「今、この瞬間に流れている流体の量を示す値」ですね。
これを積算流量に対して「瞬時流量」と呼称します。

 積算流量計として有名なのは、湿式ガスメーターです。
この方式は、流入した気体が液面に設置されたドラムの内部で分割された計測室を満たして回転置換させる事で、入ってきたガスの全量計測を行います。
積算流量を精度よく管理する上で、一番有効な方法は当たり前のようですが、この「全て計る」ということです。

それに対してMFCは色んな不利な要素を抱えています。
まず、センサーそのものは、二対の熱センサーバランスの変異から計測する原理上、出力は瞬時流量のみで積算はできません。
また、MFCのセンサーは一部微少流量用を除いて、必ずバイパスとセンサー管で構成された、サンプリングによる部分計測です。

こういった構造を踏まえて先ほどのようなご質問に対しては「MFCセンサーでは積算はできません」とお答えするのが筋です。

 ですが、MFCセンサーの出力する瞬時流量出力を「加工する」ことで積算流量値を算出することはできるのです。
あえてここでは積算流量を「計測する」という言葉は使いません。
そもそもMFCは計測器ではないというお話をしてきたと思いますが、特に積算値に関してはあくまで目安とお考えください。
MFCの瞬時流量信号を加工して得た積算流量値をもって、商取引の度量衡としての測定値としては使用できませんので、ご注意ください。

 少々堅い話になりましたが、MFCであくまで目安となる積算値を得る方法は簡単な原理です。
MFCの出力する瞬時流量値をある単位時間で拾い集めて、計算させれば積算値になるという考え方です。

例えばF.S.1SLMのMFCに設定値100%で制御させると、何も問題がなければ1L/min@0℃ 1013hPaの体積流量が流れたことになります。
1分経過する毎にこれを記録します。
何の問題もなく制御が続いた場合、この60回分を和算すれば、60L/h@0℃ 1013hPaの積算流量がでましたね?

ただ、1分毎に流量をチェックするのは大変です。
MFCで制御していればまだ値は安定しますので、ぶっちゃけた話たまに見落としてもいいかもしれませんが、流量制御バルブのないMFM(マスフローメーター)を使用する場合(積算用途はこちらの方が多いかと思います)は、圧力、温度で指示する流量値は刻々と変動しますから記録する方も大変です。

 そんな時に便利なのが積算機能付MFC制御ユニットです。

130704_01.jpg

瞬時流量と積算流量カウントを切替表示することができる電源一体型瞬時/積算流量表示設定器ですと、MFC/MFMと従来通りケーブル1本で接続でき、積算を取る為に特別な配線をする必要はありません。
なにせMFCは瞬時流量を出力しているだけなのですから、当たり前ですが・・・

すこぶる簡単ですね?
でも、忘れないでください。
MFCで取る積算値はあくまで目安です。
積算値でボンベのガス残量管理を試みて、ボンベ交換すべき警告値をかなりタイトなところまで追い込んで設定してしまって、アラームがなるより早くガスが無くなってしまった!なんて事が起きませんように・・・

今回もブログ記事に関して、ユーアイニクス株式会社殿のご厚意からご協力を頂きました。改めて御礼申し上げます。なお、文中のSP-833Aに関する詳しい仕様はこちらを参照下さい。

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ダイエットを始めてます その3 燃費の悪い体質にして食事制限

本日現在で目標体重まであと2.6kgです。
一過性脳虚血症で倒れる前からは13.4kg減です


130706_01.jpg


6月だけでで5kg強減っています^^

これは1月に歩けるようになって、毎日筋肉を取り戻すためにウォーキングやルームバイク、筋トレを繰り返してきた事で、カロリー消費の多い体質に転換した上で、偶然にもこの梅雨時のメニエールからの不調で特に歩くことができなくなった為、今度は食事制限ダイエット(特に炭水化物)をした結果のようです。


過去にトレーニングだけでも、食事制限だけでも減らなかった体重ですが、燃費の悪い体質にしてから、入る物を押さえるというのが聞いてしまったようです^^;

梅雨も明け、メニエールに悩まされる事の少なくなる夏の時期は、逆にしっかり水分やビタミン、タンパク質は補給して夏ばてしないようにしながら後2.6kg体重を減らしていきたいですね。

これが上手くいったら、あと5~10kgくらい第2次ダイエット作戦で減らしたいですね^^

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ジャンル : ヘルス・ダイエット

真・MFC千夜一夜物語 第82夜 MFC用電源の形態 電源分離型


MFC(マスフローコントローラー)の周辺機器として電源のお話です。

一体型に対して、電源、流量表示器、流量設定器を別ユニット化する方法もあります。
表示器と設定器はMFCを一対一の関係のままですので、これを一つのユニットにする場合と、ここもバラバラにする場合がありますが、基本的には同じなので、ここでは表示設定器として1ユニットにした場合の図で説明します。

130701_04.jpg


MFCと表示設定器との間の信号の流れは、多連電源を仲介してこのような流れになります。また、多連電源はMFCの電源供給だけではなく、表示設定器への電源供給が必要となります。
更に設定器(ボリューム抵抗型)を分離させた場合は、多連電源が設定信号のリファレンスになる5VDCを供給する必要があります。

 表示設定器として、ユーアイニクスさんのMFC表示設定器 SP-835を例にとってご説明しましょう。
130701_03.jpg

このタイプはパネルカット48mm角の温調器サイズですので、前回ご紹介した一体型MFC制御ユニットSP-832のそれが幅:92mm 高さ48mmであることと比較してもよりコンパクトです。
多系統のMFCを操作するパネルを設計される際には、かなりパネルサイズを小さくできる事になりますね?
しかも、操作性も温調器に近いので、そういった機器の操作に慣れた方々には好評です。

電源分離式の利点は、電源をMFC複数台数用として一纏めにすることで、MFC周辺機器のコストとフットプリントを押さえることができることです。
表示器・設定器は各々のMFCに一対一ですが、電源は必ずしもそうではない為、多系統に±15VDCを供給できればよいので、自ずと3連、6連等の多連電源が製品化されることになります。
その方が複数ラインのMFCを制御する必要がある場合にはかなり差が出てきますので喜ばれます。
その分、配線は複雑になるのでMFCと表示器の接続間違いの無いように注意して下さい。

*今回もブログ記事に関して、ユーアイニクス株式会社殿のご厚意からご協力を頂きました。改めて御礼申し上げます。なお、文中のSP-835に関する詳しい仕様はこちらを参照下さい。

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真・MFC千夜一夜物語 第81夜 MFC用電源の形態  電源一体型

MFC(マスフローコントローラー)の周辺機器として電源のお話をしてきましたが、具体的にはどんなタイプがあるのか?ご紹介していきましょう。

MFCを動かすのに最低限必要な機器は電源だけではありません。
アナログ通信でMFCを動かす場合は、電源・流量表示器・流量設定器が最低限必要になります。
電源とは、MFC専用の多くの場合±15VDC電源ですね?流量表示器とは、MFCの流量出力信号0~5VDCを読みやすい流量値もしくは%表示で表してくれる機器です。
流量設定機とはMFCへ流量設定信号0~5VDCを送る機器です。簡単なものでしたら、いわゆるボリュームタイプの可変抵抗器に5Vを供給して、抵抗を求めている値に設定することで設定電圧を造る方法があります。
これらの機器をどう組み合わせるか?によって色んな周辺機器があります。
大きく分けると電源一体型か?分離型か?で括れます。

 まずは電源一体型のご説明から始めましょう。
これは電源・流量表示器・流量設定器の3つが1つになっている優れものです。
以下の図でMFCとの接続と役割をご説明しましょう。
基本的にMFCとは一対一で接続されます。

130701_02.jpg


 ユーアイニクスさんのMFC制御ユニットSP-832を例にとってご説明するとこのようなパネル構成となっているのが一般的です。

130701_01.jpg

中には設定値は数値をダイレクトに“100.0”という形でプリセットする温調器的な使い方ができるものもありますし、設定値を記憶することができる機器もあります。

 これは好みの問題ですが、年配の方はボリューム式、若い方はプリセット式・・・と言うわけでもなく、むしろMFCの流量を可変させながら実験を行う研究用途で使う試験装置ではボリューム式、ほぼ固定で使用する生産用途で使う製造装置ではプリセット式という特性での使い分けが多いかもしれません。Deco自身はどっちも好きですが、条件出しで微調整するにはボリューム式がいいですね

一体型の利点は、MFCとの接続が簡単であることです。
今からMFC初心者の方には入門機としてお薦めですね。
次回は電源分離型のご説明です。

*今回のブログ記事に関して、ユーアイニクス株式会社殿のご厚意からご協力を頂きました。改めて御礼申し上げます。なお、文中のSP-832に関する詳しい仕様はこちらを参照下さい。


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真・MFC千夜一夜物語 第80夜 MFCの消費電流量VS電源容量

MFC(マスフローコントローラー)の電源のお話をしてきましたが、まずはお手持ちのMFCの所用電源をよく確認して準備しましょうね!というお話でした。

手持ちのMFCが±15VDCということなので、これを準備すればいいや!となるのですが、もう一つ確認しなくてはいけないことがあります。それは電源の容量、供給できる最大電流値なのです。
MFCの電源仕様をもう一度見てみましょう。

電源仕様 (例)
[電源電圧:±15VDC(±5%以内) 消費電流:+側 Max50mA -側 Max150mA 計Max3W]


質問です。
お手元に±15VDC 電源容量がそれぞれ100mA Max3Wの電源があったとします。
この電源は、上記仕様のMFCの電源として使ってもいいでしょうか?

答えは×です。

これはMFCの消費電流を見ていくとすぐわかりますね。
確かに+側は電源の容量100mAに対して、MFCは最大でも50mAしか消費しないのですから、OKです。
ところが-側は電源の容量100mAに対して、MFCは最大150mAも消費してしまいますから、オーバーしてしまいます。ダメですね。

 具体的にどんな現象が起きるのでしょうか?
こういった-側の消費電流量が大きいMFCは、一般的にソレノイドアクチュエータ搭載型MFCの可能性が高いので、ここではノーマリクローズのソレノイドバルブのMFCだと仮定してお話しします。

ずばり!フルスケールに近い領域の流量制御ができなくなる可能性が生じます。

これはソレノイドに流す電流を増やすことで、磁力を増し、非通電時は閉のバルブを、それを「よいしょ!」と持ち上げて開けていくソレノイドアクチェータ搭載型の特性からいって、大量電流を消費する必要がある状態とは、「大きくバルブを開ける状態=多量のガスを流す状態」だからです。具体的な現象としては、MFCの流量が、ある流量設定より上が全く流れず、頭打ちしてしまう・・・という問題が起きてしまいます。

もし、上の例でMFCがソレノイドでもノーマリオープンタイプだったら・・・バルブが非通電時全開状態から閉めていくバルブですから、先ほどとは逆で、より閉める方向に電流が必要になります。
今度はある程度下の流量設定でそれ以上絞れず、ガスが流れっぱなしになるという、これはまた困った問題が生じます。

これは簡単な例ですが、個々のMFCの電気設計により必ずしもこうなるわけではないのをお断りしておきます。ただ必要な電流量が供給されないとMFCは正常に動かない、このことを頭に置いて、よく電源の仕様もご確認くださいね。

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真・MFC千夜一夜物語 第79夜 MFCが変わり者になってしまった理由は・・・

MFC(マスフローコントローラー)が±15VDCという風変わりな電源規格を使い続けている理由は・・・というお話です。

実はDecoも本当の理由を知りません! ごめんなさい!

(ドテッっと、こけないでくださいね。)

ただ、仮説はあります。これはDecoも教えてもらった話なのですが・・

「MFCのセンサー部分が、二対のヒーターで構成され、それがブリッジ回路を構成している。」というお話はこれまでに何度もさせていただいているかと思います。
「四半世紀以上前、MFCが生まれた時代には、ブリッジ回路を作る上でバランスを取りやすい±電源で、MFCに基板上に置けるサイズの部品が無く、やむなく外部に置く電源から±15VDCを供給した。」と、Decoは複数の古参の技術屋さん達から教わってきました。
確かに頷ける話です。

「でも、昔のことはいいとして、なんでこれだけ電子部品が進化し小型化した現在に至ってもそんな仕様のままなのはなぜ?」という問いかけられたとしたら、その答にはなっていませんね・・・
 
 ここからはDecoの持論です。

実は技術的な問題ではなく、マーケッティング的要素が強かったからなのではないのでしょうか?
以前、MFCの主要な顧客は半導体製造装置メーカーさんだというお話をしました。
そして製造装置に組み込まれたMFCが使用されるのは、半導体製造工場です。
半導体は日進月歩のハイテク技術産業であり、常に新しい技術が切磋琢磨されている・・・のですが、こと製造手法となると、逆に非常に保守的な世界なのです。

”Copy Exactly(コピー イグザクトリー)”とういう有名な半導体メーカー「インテル」が提唱する半導体製造に関する言葉があります。
「マイクロプロセッサ製造は、開発段階で使用した製造装置、その部品を含む全ての設備、製造プロセスはもちろんのこと、納入業者や物流のプロセスまでも、量産工場にそのままコピーして展開する。」という考え方です。(こういった考え方は、実は日本の家電などの民生機器の世界ではあまり無い考え方で、むしろカタログなどに「予告無き仕様変更」があり得ることを謳っていた時代もありました。)

そんな半導体の世界では、なかなか途中で思い切って電源の規格を変更するは難しいことで、ある一社だけが、「うちはこれからは24VDCです!」と言い出しても、今まで±15VDCのMFCを使ってきたお客さんには受け入れられません。
そんな流れが続いたために、MFCの電源は開発された当初の流れのまま±15VDCでここまで来てしまった・・・のかもしれません。
そんな古くからの規格は電源だけにとどまらず、MFCの至る所に残っています。

 ただ、ここにきてDeviceNet通信規格をガス制御系に搭載した製造装置が300mmウエハー製造ラインでは採用されてきました。
この通信規格では、機器の電源規格が24VDCに統一されていますので、自ずとMFCも24VDC駆動となったモデルが使用されています。
MFCの総需要の8割近い半導体関連業界での電源規格が24VDCに動いていくと、この先±15VDCのMFCとの比率に変化訪れるかもしれませんが、半導体製造業の失速もあり、どうなるかは混沌としていそうです。


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真・MFC千夜一夜物語 第78夜 MFCが変わり者だと、専用電源も変わり者になる?

MFC(マスフローコントローラー)がACアダプターで動くか?というお話ですが、答は「まず一般的な家庭用ACアダプターでは無理です。」となります。
もちろん例外もあります。そのことをご説明しましょう。

 MFCという一つの機械を動かすのに必要な「電源」。
カタログなどを読んでいだくと、仕様表、スペックシートと呼ばれる表に、以下の記載があるかと思います。

電源仕様 (例)

[電源電圧:±15VDC(±5%以内) 消費電流+側 Max 50mA -側Max 200mA]

[電源電圧:24VDC 消費電流Max 300mA]

電圧と電流のお話は・・・始めると長くなるので、忘れた方は理科の教科書か、ネットで検索してみてくださいね。

 消費電流というのはメーカーによって異なります。制御方式、アクチュエータの種類が違いますから・・・ ここでは電圧で大きく種類を括りますと、①±15VDCと②24VDCとなります。どちらかというと古いモデル、もしくは半導体製造装置用に使われているMFCは①が多く、一般工業用、もしくは最新装置でDeviceNetTM等の通信対応モデル等は②が多い傾向にあります。(もう何種類か黎明期には電源規格があります。その昔モーターでアクチュエーターを動かしていたようなMFCもあり・・・長くなるので今回は割愛します。)

 で、この①、②でやっかいなのは、①±15VDCという定格の電源です。
これはまず一般家庭や民生用では使いません。ですから、家庭のACアダプターには無理とお答えしました。(いや、家庭用でもあるよ!というご意見がありましたらご教授下さい。)

以前、計装技術屋さんとお話しているときに、
「DC±電源を使う工業機器というのも珍しいですよね。一般的に計測機器は24VDCじゃないのですか?」
と聞かれたことがあります。

その通りなのです。
MFCの親戚のような流量計、圧力計はほとんど12~24VDCです。MFCだけが、なぜか±15VDC・・・

その技術屋さんは
「MFCの為だけに、装置の電気系に±15V電源を置かなきゃいけないですね・・・めんどうだな・・・」
と嘆息されていました。
確かにおっしゃるとおりです。
装置で配管部品用電源を置けるスペースを考えると、24VDC電源だけに統一したいのに、わざわざMFCの為だけに、±15VDC電源を置かなくてはいけないなんて・・・

それにスペースデメリットだけではありません。
変わり者のMFCの為に、これまた変わり者の専用電源を購入しなくてはいけないのですから、コスト面でも負担は増えることになります。

ほんとにすいません・・・こんな変わり者で・・・なんでこんな変わり者になったか?は次回お話ししますね。

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プロフィール

EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠

Author:EZ-Japan(イージージャパン)代表 黒田 誠
MFC千夜一夜物語のDeco こと 黒田 誠 です。
2014年6月より流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”EZ-Japan(イージージャパン)として開業いたしました。

流体の流量・圧力・温度に関わる計測・制御技術の伝承と、新技術のご紹介を行うエバンジェリスト(伝道師)の仕事を生業といたしております。

日本工業出版さんの「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載を続けさせて頂いています。

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